導入事例
顧客ポータルの意味と必要性
顧客ポータル(カスタマーポータル)とは、企業が個々の顧客に提供するオンラインプラットフォームです。各顧客はこのポータルを通じて、請求書の閲覧、保守・サポートの受付、契約情報の確認などのサービスへスムーズにアクセスできます。簡単に言えば、顧客ポータルとは、企業と顧客が簡単にコミュニケーションを取るための「オンライン窓口」のようなものです。
多くの企業がDXや業務効率化に取り組む中、昨今では紙ベースの業務が持つ非効率性やコストパフォーマンスの悪さが認識されつつあります。例えば、毎月紙で請求書や各種申込書を顧客とやりとりしている場合、費用面でも労力面でも大きなリソースが必要です。印刷や郵送、データの入力、返信がない場合の架電など、意外に多くの作業や人件費を要します。そして、これらの費用や労力は、顧客が多い企業ほど膨大になります。
また、すでにデジタルで対応している場合でも、それぞれのサービスが独自のサイトや顧客IDで運営されていることはありがちです。しかし、そうなると、顧客はどこにアクセスすればいいのか混乱し、利便性が低下してしまいます。複数のサービスを利用している顧客は、毎回ログイン情報を入力し直さなければいけませんし、企業側も他のサービスへ顧客を誘導し、クロスセルを狙うのが困難です。
これらの問題を解決するために役立つのが、多種多様なサービスの窓口となる顧客ポータルの設置です。
顧客ポータル導入による効果
顧客ポータルが企業の運営に与える効果は多岐にわたりますが、最も顕著なのは、業務の効率化とコスト削減効果です。
顧客ポータルを導入することで、第一に印刷や郵送に要していたコストや労力を大幅に削減できます。保守点検の予約や質問の受付フォームを顧客ポータルに設置することで、顧客側の利便性も向上します。連絡手段の簡略化・多様化は回答率の向上にとっても有用です。各種の契約情報を顧客ポータルで一元的に確認できるようにしたり、請求情報などをデータの更新と共にリアルタイムで確認できるようにしたりすることで、サービスの利便性や顧客満足度はさらに高まります。
そして、複数のサービスをひとつのポータルに統合することで、クロスセルの促進も可能です。例えば、ポータル上で他のサービスへの誘導を行ったり、ジャンル別の売り上げランキングを表示したりすることで、他のサービスにも顧客の関心を向け、スムーズに誘導できます。
最後に、各サービスの情報更新が楽になるのも大きなメリットです。顧客ポータルを導入すれば、ひとつのポータルから複数のサービス情報を簡単に更新できるようになるので、情報の鮮度を保ちやすくなります。さらに、サービスごとに情報やデザインに差異が出ることも抑制できるので、顧客体験やブランドイメージの一貫性を高めることが可能です。
SITE PUBLIS Connectで実現する顧客ポータルの効率的運用
カスタマーポータルの導入と運用に関しては、コンテンツ管理システム「SITE PUBLIS Connect」の活用が非常に効果的です。さまざまなサービスやシステムを連携させるハブとなるSITE PUBLIS Connectを顧客ポータルとつなげることで、企業は最適な情報を顧客へ的確に伝えられるようになります。
具体的には、SITE PUBLIS Connectは、企業の基幹システムやCRM、MAなどの外部システムと、Webサイトやモバイルアプリなどのフロントエンドをつなげる中継役になります。これによって、外部システムとフロントエンド側の相互依存性が低い構築ができるようになるので、多様なデバイスに対応した顧客ポータルやサービスサイトを用意し、外部システムとデータ連携することが可能です。
さらに、SITE PUBLIS Connectは使いやすさにも優れています。「見たまま編集」機能を使うことで、完成図をリアルタイムで確認しながら編集できるので、直感的な更新作業が可能です。また、共通のコンポーネントパーツ(部品)を使用することで、更新担当者が異なっていても、統一感のあるページ作成が実現できます。
情報構造の一元化によって、データ連携や配信作業の効率化も実現できるので、管理運用の手間や難度からこれまで外注に頼っていた企業でも、サイト運用を内製化しやすくなります。各サービスの担当者が自らSITE PUBLIS Connectを使ってサービスサイトを更新できるようになるので、より鮮度の高い情報発信が可能です。
このように、SITE PUBLIS Connectとコネクトして顧客ポータルを運用することで、企業と顧客双方の利便性を向上させ、コストの削減とサービスの改善を両立できます。